離婚の際の財産分与~オーバーローン不動産がある場合

Q. 妻と離婚することになり、財産分与について話し合っています。
財産の中には、私名義のマンションがあります。このマンションは、結婚して5年後に家族の居住用に購入したもので、頭金も夫婦共有財産からで支払い、残額についてローンを組みました。
その後支払を続けてきましたが、現時点でオーバーローンの状態です。このマンションはどのように処理されるのでしょうか?

 

A. これもよくあるご質問の一つです。
特に購入して数年程度の不動産の場合、物件としては中古になり価値が下がるのに対し、ローン額はあまり減っていないため、オーバーローンとなることが多いようです。
ローン名義人としては、共有財産として平等に支払ってほしいと考える方が多く、なかなか解決が難しい問題の一つです。

 

1.オーバーローン不動産しか分与対象財産がない場合


(1)不動産を処分しない場合

[原則]残ローンの支払を求める財産分与は認められないのが原則です。

(理由)財産分与とは、夫婦が協力して築いた財産を分割する制度なので、債務の分与は認められない(できない)と原則的には考えられているためです。
したがって、不動産名義人がそのまま不動産を取得し、通常、名義人とローン債務者は一致することが多いですから、残ローンも支払うのが原則的な形となります。
もっとも、交渉や調停では、相手方が納得しさえすれば、残ローンの一部負担を求める解決も可能です


[例外]
不動産が共有名義で、財産分与により登記を一方の単独名義に移す必要がある場合等は財産分与が認められる場合があると言われます。
もっとも、不動産の名義を変更する場合、ローン契約上、ローン債権者の事前承諾が必要となっていることがあります。この場合、ローン債権者が名義変更に応じないこともあるので注意が必要です。


(2)不動産を処分する場合

不動産を処分すると、債務しか残らない状態になるので、財産分与(この場合、債務の分担)は認められないのが原則です。
もっとも、交渉や調停では、相手方が合意すれば債務の分担も可能なので、事情しだいで検討する余地はあります。

 

2.オーバーローン不動産以外の分与対象財産(正の財産としましょう)がある場合

①財産と残ローンを通算する裁判例、すなわち、全ての積極財産(正の財産)から残ローン額を差し引いた額を分与対象財産とする裁判例と、
②通算しない裁判例、すなわち、オーバーローン不動産は分与の対象とせず、他の財産のみを分与の対象とする裁判例
があり、裁判例は分かれています

個々の事情を検討しつつ解決を導いて行くことになります。

 

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