相続法改正について学んでみよう③~自筆証書遺言保管制度ができました

Q. 自筆証書遺言を作ろうと思っています。
    法律が改正され、遺言書を保管してくれる制度ができたと聞いたのですが、どういう制度なのでしょうか?メリットはあるのでしょうか?

 

 

A. 前回のFAQこちらを参照)で自筆証書遺言の方式が緩和されたことをご説明しました。
今回は、それに引き続き、自筆証書遺言の保管制度についてご説明します。手続の詳細等まで説明すると長くなりますので、今回は簡単に概略を。

 

民法改正とともに新しくできた保管制度により、自筆証書遺言に限り、遺言者は、遺言書の保管を申請することができるようになりました

 

1 保管申請の概要は以下のとおりです。


①申請者

遺言者本人が自ら出頭し申請を行うことが必要。代理人が保管の申請を行うことはできません。

 

②申請先

原則として、遺言者の住所地、本籍地、遺言者の所有する不動産の所在地のいずれかを管轄する遺言書保管所(指定された法務局のこと)で申請を行う。

 

③遺言書の様式等

自筆証書遺言に限る。民法に適合しているほか、法務省令で定める様式に従っていること、また、無封である必要がある

 

④保管期間

→原則として遺言者の死亡日から50年。

 遺言書に関する情報も保管されるところ、それについては、原則として遺言者の死亡日から150年。

 

⑤その他

→遺言書の保管が開始されると、保管証が交付されます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


保管申請は本人が行うことが必要で、遺言者の本人確認も行われますので、その遺言書を本当に本人が書いたのかといった紛争は、以前より防止しやすくなるのではないでしょうか。

 

 

2 保管されている遺言書は以下の方法により確認することができます。

 

(1)遺言者の生存中

 遺言者のみが、遺言書の閲覧や遺言書に関する情報を閲覧できます。
 この閲覧の請求は、遺言者が自ら出頭して行うことが必要です。

 

(2)遺言者の死亡後

 ①遺言書保管事実証明書の交付請求

  ・請求者:誰でも

  ・内容:自分が相続人等に該当する遺言書が保管されているか調べることができる

  ・手続者:請求者本人が手続を行うことが必要。ただし法定代理人は可。

 

 ②遺言書情報証明書の交付請求

  ・請求者:遺言者の相続人等 

  ・内容:遺言書の画像情報など、遺言書に関する情報として保管されている事項を証明した書面の交付を請求できる

  ・手続者:請求者本人が手続を行うことが必要。ただし法定代理人は可。

 

 ③遺言書の閲覧や遺言書に関する情報の閲覧

  ・請求者・手続者について②に同じ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、遺言者の死亡後も、相続人等が自筆証書遺言の有無を調べるのが容易になりました
また、遺言者は保管申請の際に、死亡時に、自らが指定する者(限定あり)に対して、遺言書を保管していることを通知するよう、申し出ることができるという制度も用意されています。
この制度を利用すれば、遺言書の発見はより容易になるでしょう。


また、遺言書保管所に保管されている遺言書については検認が不要とされていますので、その点でのメリットもあるでしょう。

 

公正証書遺言には及ばないと思いますが、それでも、以前の自筆証書遺言に比べれば、メリットの大きい制度になったのではないでしょうか。
公正証書まで作る気はないという方でも、この自筆証書遺言保管制度は検討に値すると思います。

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