相続法改正について学んでみよう⑤~配偶者短期居住権制度②

Q. 先日、夫が亡くなりました。生前、私と夫は、夫名義の建物に住んでいたのですが、夫の死後、とある相続人から、建物に住み続けるなら賃料を支払うように、支払わないならすぐに出て行くようにと言われてしまいました。私としては、すぐに出て行けと言われても困るのですが・・・

 

 

A. 月曜日(こちら(配偶者短期居住権制度ができた背景)を参照)に引き続き、配偶者短期居住権制度についてです。

今日は、本制度の概略をご説明したいと思います。

前提として、これからの説明における用語の確認です。

被相続人=亡くなった方

配偶者=被相続人の配偶者

 

 

 

 

 

1.配偶者短期居住権とはどんな権利?

配偶者短期居住権制度とは、極めて簡単に説明すると、
配偶者が、被相続人の死亡時に、被相続人所有の建物に無償で居住していた場合、被相続人の死後も一定の期間、原則として無償で当該建物を使用できるという制度です。

(※一口に「使用」といっても、具体的に何をして良くて何はしてはいけないのか、難しいと思います。単に居住するだけならほとんど問題ありませんが、それ以上の事案については弁護士にご相談頂ければと思います。)


2.配偶者短期居住権が成立するための要件

配偶者短期居住権が認められるための要件は、大きく分けて以下の4つです。


①「被相続人の財産に属した建物」であること

・被相続人が当該建物を所有していたことが必要です。
・配偶者と共有していた場合も含まれます。
・第三者と共有していた場合も含まれると考えられていますが、この場合は少し難しい議論がありますので、弁護士にご相談頂ければと思います。

②「相続開始の時に居住していた」こと

・生活の本拠として現に居住のために使用していたことを意味すると言われます。したがって、旅行に行っていたとか、一時的に入院していたような場合でも、生活の本拠として使用していたことに変わりないため、該当すると考えられています。

③被相続人の財産に属した建物に「無償で」居住していたこと

・一部のみ無償で使用していた場合には、その部分についてのみ配偶者短期居住権が成立し、無償で使用することができます。

④相続権のある「配偶者」であること

・内縁の配偶者は含まれません。
・欠格や廃除により相続権を失っている場合は除かれます。
・相続開始時に配偶者居住権を取得した場合も除きます(この場合、短期居住権を認める必要性がないため)。


3.配偶者短期居住権が成立する期間

配偶者短期居住権が認められる期間は次のように定められています。

⑴ 建物について配偶者を含む共同相続人間で遺産分割すべき場合

次の①②のいずれか遅い日まで

 ①遺産分割によって建物の帰属(建物の所有者)が確定した日
 ②相続開始時から6カ月を経過する日

⑵ それ以外の場合(たとえば当該建物が他の相続人に遺贈された場合など)

その建物を取得した者が配偶者短期居住権の消滅の申し入れをした日から6カ月を経過する日まで

 

 

なお、配偶者短期居住権を取得した場合でも、その分相続分が減るといったことはないと考えられていますので、ご安心頂ければと思います。

 

以上が配偶者短期居住権の概略になります。

概略と申し上げたように、ご説明したそれぞれの点については、事案に応じて複雑な議論があります(たとえば、建物が店舗兼住宅であった場合はどうか?相続人の一人が遺産分割の成立前に遺産共有持分を譲渡してしまった場合はどうか?等々)。
それぞれの事案に応じた詳細は、弁護士にご相談頂ければと思います

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