民法改正について学んでみよう⑤~売買目的物の瑕疵担保責任③

Q. 当社は家電製造会社です。一部の部品は他社から購入し、それを組み立てて家電を製造しています。
部品を購入する際、売買契約を締結しますが、その部品に不具合があった場合、当社はどのような請求ができるのでしょうか?新しい民法での制度を教えて下さい。

 

 

A. 前回までに引き続き、売買目的物の種類や品質、数量に問題があった場合に買主は何ができるか?売買目的物の瑕疵担保責任に関する民法の改正点についてのご説明です。 

第1回の記事はこちら(「民法改正について学んでみよう③~売買目的物の瑕疵担保責任について①」)

第2回の記事はこちら(「民法改正について学んでみよう④~売買目的物の瑕疵担保責任について②」)。 

今回が最終回、買主が各種請求をする際の期間制限についてです。

 

4 期間制限 

新民法下では、買主による各種請求の期間制限は、以下のとおりとなりました。

 

⑴ 種類又は品質に関して契約不適合がある場合

買主が不適合を知った時から1年以内に売主に通知することが必要です(売主が引き渡し時に不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときを除きます。)。
加えて、一般的な債権の消滅時効の適用もあります 

通知の内容ですが、条文からすると、不適合を通知することが必要ということになります。従前よりは買主の負担が軽減されると思われます
とはいえ、単に抽象的に不適合があったと述べるだけでは足りず、売主が契約不適合の内容を把握できる程度には不適合の具体的内容を伝えることが必要と考えられています。
買主の負担が軽減された分、早期に売主への通知を行うことを心がけるようにしましょう。

 

⑵ 数量に関する契約不適合がある場合

改正前民法下では、数量不足の場合等について、事実を知った時から1年以内等の期間制限が設けられていましたが、新民法では、数量に関して契約不適合があった場合について、期間制限は撤廃されました。一般的な債権の消滅時効によって処理されます。

 


以上が、売買目的物の瑕疵担保責任(新民法では契約不適合責任)に関する、新民法下での規律になります。

 

最後に、ここまでの連載で明示的に触れることができなかった点について補足しておきます。
改正前民法下では、瑕疵担保責任を追及できるのは、売買の「目的物」が何を指すのかについても争いがありました。特定物の場合に限られるのか、不特定物の場合も含むのかといった議論です。
新民法では、この点を整理し、特定物と不特定物を区別することなく、引き渡された物が契約に不適合の場合には、これまでご説明したような要件の下で、買主は各種請求ができることとなりました。これにより、従前に比べれば分かりやすい法制度になったと思います。

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