民法改正について学んでみよう④~売買目的物の瑕疵担保責任②

Q. 当社は家電製造会社です。一部の部品は他社から購入し、それを組み立てて家電を製造しています。部品を購入する際、売買契約を締結しますが、その部品に不具合があった場合、当社はどのような請求ができるのでしょうか?新しい民法での制度を教えて下さい。

 

 

A. 前回に引き続き、売買目的物の種類や品質、数量に問題があった場合に買主は何ができるか?売買目的物の瑕疵担保責任に関する民法の改正点についてのご説明です。

前回の記事は、こちら(「民法改正について学んでみよう③~売買目的物の瑕疵担保責任について①」)。

今回は、いよいよ、買主がどのような請求をすることができるかについてです。

 


3 買主はどのような請求ができるか

以下の4つの選択肢の中から、事案に応じて選択していくことになります(なお、両立しない請求にならないよう注意は必要です。)。

 

⑴ 追完請求権

買主は、引き渡された物の修補や、代替物の引き渡し、不足分の引き渡しによる、履行の追完を請求できます。要は、「ちゃんと履行してくれ」と請求できるわけです。

改正前民法下では、追完請求権が認められるかどうか、学説でも争いがありましたが、新民法では、明文で追完請求権を認めました。
ただし、契約不適合について、買主に帰責事由がないことが必要です。

 

⑵ 代金減額請求権

買主は、不適合の程度に応じて代金の減額を請求できます

改正前民法下では、種類や品質に関する瑕疵があった場合、代金減額請求権を認める規定はありませんでした。
新民法では、種類、品質、数量に関して契約不適合があった場合、代金減額請求ができることが明文で認められました。
ただし、
 追完請求権と同様、契約不適合について、買主に帰責事由がないことが必要です。
 原則、代金減額請求をする前提として、買主が履行の追完を催告し、その期間内に追完がないことが必要です。例外的に催告が不要な場合も定められていますが、原則は催告必要ですので注意して下さい。

 

⑶ 損害賠償請求

買主は、損害賠償の請求をすることもできます

改正前民法下では、損害賠償請求の要件・効果について、一般の債務不履行に基づく損害賠償請求の要件・効果と異なるのか等、争いがあり極めて複雑でした。
新民法では、この点を整理し、売買目的物の契約不適合の場合の損害賠償請求も、一般の債務不履行に基づく損害賠償請求と同様の規律が適用されるものとしました。
したがって、損害賠償を請求するためには売主に帰責事由が必要です。
一方、改正前民法で数量不足の一部の場合に必要とされていた買主の善意、すなわち瑕疵の存在について知らなかったという要件は不要となります(前回の2「隠れた」瑕疵要件と同様、契約内容の判断において考慮されることになると考えられます)。

 

⑷ 解除

買主は契約の解除をすることも可能です

改正前民法下では、解除についても、一般の債務不履行に基づく解除と同様に考えるべきなのか、争いがありました。
新民法では、争いがあった点を整理し、解除についても、一般の債務不履行に基づく解除と同様の規律が適用されるものとしました。
一方、改正前民法下で一部必要とされていた、瑕疵が存在するために「契約をした目的を達することができないとき」や、「残存する部分のみであれば買主がこれを買い受けなかったとき」などの要件も不要とされました。
また、改正前民法で数量不足の一部の場合に必要とされていた買主の善意、すなわち瑕疵の存在について知らなかったという要件も不要となります(⑶と同様)。

 

 

長くなってきましたので、今日はここまで。
次回は最終回、買主が各種請求をする際の期間制限について、ご説明します。

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