民法改正について学んでみよう③~売買目的物の瑕疵担保責任①

Q. 当社は家電製造会社です。一部の部品は他社から購入し、それを組み立てて家電を製造しています。
部品を購入する際、売買契約を締結しますが、その部品に不具合があった場合、当社はどのような請求ができるのでしょうか?新しい民法での制度を教えて下さい。

 

 

A. 引き渡された目的物の種類や品質、数量に問題があった場合に買主は何ができるか?従前、物の瑕疵担保責任と言われていた問題です。
今回から3回にわたり、この問題についての民法の改正点をご説明したいと思います。
今日は総論的なお話を。

 

1 「瑕疵」という言葉を使わなくなりました

改正前民法では、この問題は、売買の目的物に「瑕疵」があった場合に何ができるか、という問題として論じられていました。

新民法では、「瑕疵」という言葉は使用せず、「目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるとき」、すなわち、引き渡された目的物に契約不適合がある時と整理されました。(もっとも、改正前民法でも、「瑕疵」の有無は、個々の契約内容に照らして判断すべきと考えるのが通説でしたので、用語の変更はあったものの、実質に大きな変更はないのではないかと思われます。)

 

2 「隠れた」瑕疵という要件

改正前民法下では、種類・品質における不適合において、買主が各種請求をするためには、瑕疵が「隠れた」瑕疵であることが必要とされていました(数量についてはやや異なる規定ぶりでした)。瑕疵の存在について、買主が過失なく知らなかったことが必要とされていたのです。

新民法では、この「隠れた」瑕疵要件は、独立の要件ではなくなりました(※1)。

※1:もっとも、これも、従来の要件を緩和するものではないと考えられています。この買主が知っていたかという事情は、契約内容の判断において一要素として考慮されることになります
つまり、瑕疵の存在を知っていて、それを目的物としたなら、瑕疵のあるそのものこそが契約の目的物だったということになります。したがって、目的物に契約不適合はなく、買主は何らの請求もできないこととなります。買主が知っていたかという事情は、契約の内容を判断する際に考慮すればよく、独立の要件とする必要はないというわけですね。

 

 

総論的なお話はここまで。
次回は、いよいよ、買主がどのような請求をできるかについてご説明します。

 

 

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