民法改正について学んでみよう②~法定利率の変更

Q. 私の会社は車の部品を製造・販売しています。部品を販売する際には、都度、売買契約を締結しています。
これまで、売買契約書では、代金支払が遅れた場合の遅延損害金の利率について特に定めをしていませんでした。
民法が改正されたと聞きましたが、今後もこのままの契約で問題ないでしょうか?

 

 

. 契約書に遅延損害金の利率についての特約を定めるか、検討する必要があります

 

ご質問の遅延損害金の利率等は、契約等で別段の定めがない場合、民法における法定利率によります。
この法定利率ですが、改正前民法では、年5%の固定利率とされていました。また、年6%の商事法定利率というものも存在しました


この利率を聞いて皆様はどう思われますか?「高い!」と思われる方がほとんどではないでしょうか。
それも当然。この法定利率は、改正前民法が制定された当時の市中の状況によって定められたものでした。そのため、今となっては高すぎる状態になっていたのです。


そこで、新民法では、法定利率を年3%に引き下げました。年6%の商事法定利率も廃止されています。
また、今後も市中の状況は変わり得ます。その度に民法を改正していたのでは機動的な対処ができません。
そこで、3年ごとの変動制を採用しました。簡単に言うと、3年ごとに市中の状況を見て、必要に応じて利率を変動させる仕組みです。この利率変動の基準や計算方法も法律で定められました。

 


たとえば、貸金の利息を計算する場合を考えてみましょう。

契約等で別段の定めがない場合、貸金の利息は法定利率によって定まります。
新民法では、以下のように規定されました。

「利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは、その利率は、その利息が生じた最初の時点における法定利率による。」

 

 

貸金債権の場合、金銭を借主が受け取った日から利息が生じるのが原則です。したがって、「利息が生じた最初の時点」とは、原則として、金銭を交付された時と考えることになります。
金銭を交付された時の法定利率によって、利息が定まることになるわけです。

 


この他に、法定利率が利用される典型的な場合として、遅延損害金の利率算定があります。ご質問の代金支払が遅れた場合の遅延損害金の利率等が典型例です。

この場合について、新民法では、以下のように規定されました。

「金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率によって定める。ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による。」

 

 

 
つまり、遅延損害金については、債務者が履行遅滞になった時の法定利率によって、利率が定まります。
ご質問の代金支払債務の場合、約定の代金支払期日を経過すると履行遅滞となりますので、代金支払期日の翌日の法定利率によることとなるケースが多いでしょう。

 


以上のように、新民法では、特段の定めをしないと、利率が、従来の5%や6%より低くなってしまいます。
従来どおり、5%や6%の利率にしたいといった希望がある場合は、その旨、契約書等で定めておく必要がありますので、くれぐれもご注意頂ければと思います

 

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