民事執行②~預貯金の差押え②

Q. 私(A)は、Bさんに100万円を貸していましたが、返済期限を過ぎても返してくれませんでした。
仕方ないので、先日裁判を起こし、判決で、私のBさんに対する100万円の請求が認められ、確定しました。
しかし、その後もBさんは一向にお金を払ってくれません。
BさんにはX銀行に預金があるようなのですが、そこからお金を払ってもらうことはできますか?

 

 

A. 前回に引き続き、預貯金に対する差押手続についてご説明します。

→前回の記事はこちら(民事執行①~預貯金の差し押さえ①)

今回は、預貯金差押手続の流れについてご説明します。

 

前回と同じく、ご説明の前に用語の整理をしておきましょう。

債権者=Aさん

債務者=Bさん

第三債務者=X銀行

請求債権=請求している債権のこと。今回のQでは、AさんのBさんに対する100万円の貸金返還請求権。

差押債権=差し押える対象の債権のこと。今回のQでは、BさんのX銀行に対する預金債権のこと。

 

 

 

 

 

 

3 預貯金差押手続の流れ

⑴-1 債権差押の申立書を裁判所に提出

申立書には、当事者目録、請求債権目録、差押債権目録を別紙として添付するのが通常です。

請求債権目録とは、請求債権の詳細(執行手続に要した費用も請求できます)を記載した書面で、どのような債務名義に基づく請求かについても、ここに記載するのが通常です。
差押債権目録とは、差押債権の詳細を記載した書面のことです。預貯金の場合、原則として、金融機関名と支店名を特定して記載する必要があります。

また、前回の記事でご説明したとおり、申立書には、債務名義と執行文、送達証明書等も添付する必要があります。

 

⑴-2 ⑴-1と同時に、第三債務者に対する陳述催告の申立書を裁判所に提出

陳述催告の申立書とは、第三債務者に、差押えの対象となる債権があるかどうか、その種類、額等について、2週間以内に書面で陳述するよう催告する書類です。

この申立書が届くと、多くの第三債務者、今回で言えば金融機関は、●●銀行●●支店に債務者の普通預金が●円あります、その普通預金に他の差押はありません、等の回答をしてくれます。

この陳述催告の申立書は、法律上は提出が必須ではない(申立が必須ではない)ようですが、実務上は、ほとんどのケースで申立をしていると思います

 

⑵ 差押命令発令→第三債務者と債務者に送達

裁判所の判断を経て、差押命令が発令されます。
差押命令が発令されると、第三債務者に送達されます。この時、あわせて、債権者が上記3⑴-2で申し立てていた陳述の催告も行われます(陳述書の書式が第三債務者に送付されるようです)。

差押命令が第三債務者に送達されると、差押えの効力が発生します。第三債務者は債務者に弁済することが禁止され、債務者も債権の取り立て、預貯金で言えば引き出しが禁止されます。

また、差押命令は債務者にも送達されます。

 

⑶ 金融機関から、陳述催告の申立に回答する陳述書が裁判所に提出される

 

⑷ 預金の取り立て

差押命令が債務者に送達されてから1週間が経過すると、債権者は預金を自ら取り立てることができます。

取り立てに成功すると、請求債権(と執行費用)は、取り立てた額の限度で弁済されたものとみなされます。

なお、取り立て後も、取立届の提出等、いくつかの書類の提出が必要です。

 

 

以上が一般的な預貯金差押えの流れです(※1)。

同じ預貯金に、他の差押えもされている等の場合には、以上と少し異なる手続になりますので、詳しくは弁護士にご相談頂ければと思います。

 

(※1:その他、金銭債権に対する執行の方法として、転付命令という制度もあります。)

 

 

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民事執行①~預貯金の差押え① →こちら

民事執行②~預貯金の差押え② →本記事

 

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